2019年07月30日

増毛山道北半

7月27日,令和元年度増毛山道体験トレッキング第2回「坂本直行スケッチに遺る武好駅逓・岩尾暮らしの古道コース」に参加してきました。
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前日夜からの大雨で中止かと思ったのですが,一部コースを変更しての決行。標高差の大きい岩尾と増毛山道本線の間はカットして,循環林道南交点と称している標高587メートル地点から標高約650メートルの避難小屋までの約8kmを歩きました。定員20名のところ参加者はなんと5名のみ。起点,終点と集合場所までの間は,増毛山道の会の方がぬかるんだ林道をマイカーで輸送して下さり,大変恐縮でした。しかしそれだけに,密なお話も聞けました。
増毛山道は雄冬岬の難所を避けるために,標高1000メートルを超える稜線沿いを行く壮大な山道です。
ただ,稜線のやや東に道がついているため,風の影響を受けづらく,大雨,強風の天気予報であったものの,安全に歩くことができました。さすがは生活道路です。
笹に覆われがちな箇所が多く,毎年会の方が5回に分けて全線の笹刈を行っているそうです。
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増毛山道の桃源郷と呼ばれる初代の武好駅逓跡。本州に行くと,こういう山奥に人の営みのあとが感じられる場所はよくありますが,北海道にはなかなかなく貴重なものだと思いました。
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6月29日には札幌の北大総合博物館で北海道遺産選定記念「増毛山道と濃昼山道」講演会があり,これにも参加しました。山道の復興に携わってきた人たちも高齢化が進み,道の維持やイベントの開催が大変になってきているとのことです。
そういう大変な状況の中でせっかく開催されているイベントの参加者が少ないのは寂しいことで,今年はこのあとまだ6回のトレッキングが予定されているので,関心のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
posted by onitoge at 21:16| Comment(0) | 日記

2019年07月17日

濃昼山道

7月15日浜益と厚田を結ぶ濃昼山道を歩いてきました。1971年に車道が開通するまで,陸路はこれしかなかったという,比較的近年まで現役だった山道です。開削は江戸時代ですが,現在歩けるのは明治に開削された2代目の道です。昨年11月に増毛山道と併せて北海道遺産に認定されています。
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ごく一部にヤプ化している箇所がありましたが,ほぼ全線にわたって写真のようないかにも道という道が続いており,道内の山道の中では格違いに良く整備された山道でした。
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橋はすべて落ちていましたが,5か所くらいある渡渉箇所にはすべて石積みの橋台が残っていました。
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山道入口から4時間ほどで道の駅あいろーど厚田に到着。昨年オープンした新しい道の駅ですが,食堂のほか,2階にテイクアウトの飲食店3店舗が入っており,海を見ながらゆったりと食事をとることができました。歩いた後に,こういう感じのいい道の駅があると嬉しいですね。
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厚田から特急はぼろ号の増毛経由便で濃昼に戻ります。今回,午前中に浜益でイベントがあったため,やむを得ずレンタカーを使いましたが,1日1往復の特急はぼろ号増毛経由便と5往復ある厚田〜札幌の路線バスを組み合わせれば,無理なく山道歩きができると思います。また,時期を変えて歩いてみたいと思いました。
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2019年07月14日

北の出版社・北の本

ここのところイベントで出歩くことが多く,しばらくぶりの投稿です。
昨日は滝川市役所ロビーで開催されたトークイベント「北の出版社・北の本」を聴講してきました。
亜璃西社,共同文化社,寿郎社,中西出版,柏艪舎,北海道新聞社,北海道大学出版会という道内を代表する7つの出版社の編集者が一堂に集う豪華なイベントで,「なぜ編集者になったのか」「自分の本を作るためにはどうすればいいか」「空知をテーマに本を作るとしたら」「各社のイチオシ」などをテーマに,大変興味深いお話が聞けました。
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意外だったのは,編集者になりたくてなった人は誰もいなかったこと。しかしながら,それぞれに普通のサラリーマンとは違う波乱に富んだ道を歩んでいるようでした。各社のイチオシはさすがに力が入り,そうとうな思いをもって仕事をされていることを知りました。
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これほどのイベントがなぜ滝川で行われたのか不審に思っていましたが,イベントのあと,庁舎2階の図書館に行ってその訳がわかりました。いままで出会ったことのないタイプの図書館で,道内でも注目されている図書館の一つのようです。館長さんの思いにより実現したイベントでした。
道内の出版物も一時期やっつけ仕事的な本が目立った時がありましたが,ここのところ魅力的な郷土本の出版が相次いでいるように思います。
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一方で,トークセッションでも話題になっていましたが,書店は厳しい状況が続いています。芦別の川島書店は6月29日で閉店,札幌のなにわ書房も先月自己破産申請をしたとのことです。
本はインターネットで自由に買えるわけですが,自分が読むべき本を教えてくれるような本屋さんというのはまだインターネットに代えがたいものがあります。
posted by onitoge at 21:33| Comment(0) | 日記