2009年に一度閉店の話が出てから,私も日用品を含めて,西武で売っていないもの以外はすべて西武で買うという心意気で,買い支えをしてきたつもりなだけに,無念です。

たしか,2011年の震災以来点灯することのなかった,屋上のネオンが今日は点灯しており,これを見ただけで目頭が熱くなってしまいました。

19時40分からの閉店挨拶。買物公園の1条通から宮下通の間を埋め付くほどの人です。これまで,閉店挨拶は何度か見ましたが,これほどみんなに惜しまれた閉店は初めてです。
都合で行けなかった人もいると思いますので,ここに挨拶の全文を記しておきたいと思います。
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○司会
1975年8月より西武旭川店としてオープン以来,旭川市内はもとより,北海道道北地区唯一の百貨店としてご愛顧とご支援を賜りました。その歴史を歩んできた私どもはいよいよ本日その歴史を閉じさせていただくことになりました。
41年の長きにわたりご愛顧を賜りましたお客様方には,心より御礼申し上げます。従業員一同,その万感の思いを胸に,ただいまより皆様方とお別れをさせていただきたいと存じます。私ども西武旭川店では,地元にお客様に百貨店ならではのファッションや雑貨,そして食料品に至るまで幅広いアイテムを取りそろえ,日々お客様と接してまいりました。
本日の皆さまとのお別れに当たり,そんな西武旭川店各部門より代表して参列させていただいておりますので,まずは,紹介させていただきます。
まず始めは,高級雑貨部門と婦人服部門です。
続いて紳士服スポーツ部門と子供部門です。
続いて婦人雑貨部門とインテリア雑貨部門です。
続いてレストラン街代表と専門店ロフトの店長です。
続いて食品部門とお得意様部門の代表です。
そして店長の遠藤でございます。
1975年8月に開店してから41年間,この西武旭川店でともにお客様と接した従業員の数はとても数え切れません。そのすべての従業員を代表し,ここで感謝の気持ちを表したいと思います。41年間のご愛顧,本当にありがとうございました。(拍手)
ここで西武旭川店全従業員を代表し,株式会社そごう・西武,西武旭川店店長遠藤進一より挨拶申し上げます。
○遠藤店長
皆さま本日はご来店いただきまして,誠にありがとうございます。(拍手)
西武旭川店はただいまの時間を持ちまして,閉店とさせていただきます。閉店に際しまして,一言ご挨拶申し上げます。
西武旭川店は1975年8月8日,ここ旭川の地に産声を上げ,本日まで41年間の歴史を刻んでまいりました。この間,ご利用いただきましたお客様をはじめ,旭川市,商工会議所,旭川平和通商店街振興組合など,地域の様々な皆様方のご支援とご愛顧をいただきながら,今日まで営業を継続してまいりました。このたび閉店を前に,お客様より西武旭川店,41年の歩みと思い出エッセイ展と題しまして,数々の大変心温まるメッセージを頂戴することができました。その中からも当店が皆様方の生活をお助けする一助となるとともに,数々の思い出の舞台になってまいりましたことを,感じ取ることができ,大変ありがたく,また感謝申し上げたい気持ちでいっぱいでございます。
本日,西武旭川店は歴史に幕を閉じますが,これまでの歩みが,皆様方の思い出とともに,記憶の中に脈々と息づいていくことを願ってやみません。従業員を代表いたしまして,これまで頂戴をいたしました,言葉では言い尽くせないほどのご厚情に心より感謝申し上げますとともに,旭川の地域,そして皆様方に幸多きことをご祈念申し上げ,甚だ簡単ではございますが,ご挨拶に代えさせていただきます。皆さま41年間のご愛顧,誠にありがとうございました。(拍手)
○司会
ここで旭川ガス住設株式会社代表取締役社長山本秀勝様,西武旭川店OG○○○○様より花束の贈呈がございます。
地元の皆さまと,ともに歩んできた41年間,たくさんのお客様の暮らしの中の様々なシーンで,そのお手伝いをさせていただきましたことは,この西武旭川店で携わったすべての従業員にとって,大切な思い出として深く刻み込まれています。改めて心より御礼申し上げます。(拍手)
これを持ちまして西武旭川店は,営業を終了とさせていただきます。いままで41年間,本当にありがとうございました。(拍手,ありがとうの声,音楽)
本日はたくさんのお客様に最後までお残りいただきまして,心より御礼申し上げます。本日は皆さま長時間にわたりまして,本当にありがとうございました。(拍手,ありがとうの声,音楽)
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挨拶の中に「歴史」「思い出」という言葉が何度も出てきました。いま大型店で,お客さんの思い出に残るというような誇りをもって商売をされている店が,どれだけあるでしょうか。

閉店挨拶の後も,順次シャッターを閉めていく入り口で見送りをする市民の姿がありました。最後のお客さんが店を出られたのは20時13分,お金持ちの方でしょうか,ルイ・ヴィトンで手に持ちきれないほどの買い物をされて,多くの店員さんに見送られて店を出て行かれました。
いろんな意味で西武は旭川を変えてくれた、自分はそう思っています。旭川の顔が無くなり街の格は確実に下がると思います。駅前がスーパー(イオン)ですから。皮肉にもそれは市民が選んだ事ですね。
若い人達は西武にはあまり縁が無いようでしたが私が中学の頃は西武ホールで頻繁にいろいろな美術展が開催されて学校単位でよく見学に行っていました。西武は文化やカルチャーも発信していた事など今の若者は知らないでしょうね・・・
西武閉店については,新聞,雑誌で様々な特集が組まれ,市民の意見も載っていましたが,かつての西武が果たした文化的な役割についてほとんど触れられていないのを,私も寂しく思っておりました。
後年には,スーパーに比べると良質な日用品を扱う店という程度になりましたが,それでも買い支えていこうと思ったのは,原風景として,まだamsがあったところ華やかな姿があったからでした。セゾン文化というのはよくわからないのですが,小学校のころにはアルフォンスミュシャ展など,今では美術館でもできないような展覧会を頻繁にやっており見に行きました。
また私など地方出身者から見れば,衰退の激しい町村部に対して,まだ人口を維持している旭川のような都市では,地方の灯として百貨店を支えていく責任があったようにも思います。
こうしたことが改めて議論されることなく,このまま終われば,旭川もダメなので,これから西武なき後どうするかという議論が盛り上がることを期待します。
先週末までにオクノとフィールのテナントの入れ替えが終わり,今週末,旭川駅前のイオンに無印がオープンすれば,ほぼ西武のテナントの移転が終わったことになりそうです。
移転後のテナントですが,極めて苦戦しているように見えます。西武の場合は11月に,クラブオンカード会員向けの割引セールがあって購買意欲がそそられたのですが,移転後はそういうこともありません。いかに西武の存在が大きかったが,売り場の方たちがいちばん感じているのではないでしょうか。
また,各テナントは移転に際して総じて高級路線に転じている傾向が明瞭に見えるのですが,それが消費者志向をどれだけとらえているのか疑問があります。
旭川駅前は,西武のA館,B館全部は無理でも,規模を縮小すれば,まだ十分に百貨店が成り立つ購買力があったという見方が多いように思います。しかしながら,その購買力を受け止められる選択肢が,現状ではまったく用意されていないように見えます。
正月セールくらいまで様子見て,お客の流れが変わらないようであれば,早々に第3の再編を企てる必要があるのではと思います。
同列には論じられません。
>旭川が盛岡や那覇よりも人口の多い市だということは,駅前に立った感覚からするとまったく驚きます。