2019年02月18日

鬼峠フォーラムのこと

例年3月に開催している鬼峠フォーラムですが、今年は3/16-17に「鬼峠ミーティング」として、夏開催の可能性など今後の展開に関する話し合いをメインに開催することになりました。鬼峠を越えるかどうかは未定、有志の集いとして行う方向で企画しています。
昨年案内が届いている方には近日ご案内できるかと思いますが、もし興味のある方がいましたら、ホームページ記載のメールアドレス宛にご連絡ください。

(2019年3月4日追記)
内容が固まりました。

3月16日(土)
13:30 道の駅「自然体感しむかっぷ」集合
    各自ニニウへ移動
14:00〜15:00 ニニウワークショップ
    ・ニニウ神社雪下ろし
    ・水神跡(キャンプ場の先)見学 ほか
16:00〜17:50 討論(占冠村コミュニティプラザ)
    ・夏に鬼峠を越えるには
    ・ニニウ民俗誌とりまとめの可能性
18:00〜20:30 鬼峠交流会(占冠村コミュニティプラザ)

参加は事前申し込みをお願いしています。関係の方に先ほどメールしましたが、届いていない方で興味がありましたら、ホームページ記載のメールアドレス宛にご連絡ください。
posted by onitoge at 23:07| Comment(0) | 日記

2019年02月11日

北海タイムス物語

2年前に刊行された『北海タイムス物語』(増田俊也著、新潮社刊)が、今日からNHK-FMの青春アドベンチャーでラジオドラマとして放送されるそうです(月〜金、21:15〜、全10回)。
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北海タイムスは20年ほど前に廃刊となった北海道の日刊紙で、今では覚えている人も少なくなっているのを寂しく思いますが、特に富良野沿線などでは北海道新聞に十分対抗しうるシェアがあり、道新:タイムス=2:1くらいの比率だったはずです。私の家でも祖父はタイムス、父は道新と読み分けしていました。
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いまでこそ道新は電子版で地域面を全部読めるようになりましたが、つい最近まで道新では自分の住んでいる地域以外の北海道の記事が著しく少ないという欠点がありました。
その点、タイムスは晩年ですが、地域面に全道分8面を割いていた時期があり、新聞を取るならタイムスだと思っていたところ、1998年9月に廃刊となりました。当時、北海タイムスを置いているコンビニや売店もほとんどなくなっていて、最終号を地下鉄大通駅の売店まで買いに行ってNHKにインタビューされた一人でもあります。大学4年生のときのことでした。
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当日は各テレビ局がタイムスの廃刊をトップニュースにしていたことからも、北海道における影響力の大きさがわかるかと思います。
ただ、かなり無理をして新聞を出しているのだろうなとは常に感じていました。少人数の支局では記事に偏りがあったり、道新との競争意識による強引なスクープで嫌な思いをした人もいるのではないかと思います。当時のピリピリとした雰囲気を思えば、いまの道新一紙体制は実に平和ではあります。
『北海タイムス物語』を読んで、やはりそうだったのかと思うとともに、想像を絶する過酷な職場環境に驚きました。
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一方で、北海道の文化への貢献という意味で、北海タイムスは比類なきものがあったように思います。故・宮内令子氏による『北海道の女』は、この取材記事がなければドラマ「鬼峠」は生まれず、鬼峠フォーラムもなかったわけです。1986年北海タイムス社刊の『北海道秘湯・名湯・露天ぶろ』は、いまに続く温泉ブームの火付け役となった本でした。いずれも私の人生を変えた本と言って差し支えありません。
posted by onitoge at 20:27| Comment(1) | 日記

2019年02月10日

火の明かり

今年もスローフードしむかっぷの新年会に参加させてもらいました。
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会場は昨年『廃材もらって小屋でもつくるか』を上梓された川邉さん宅の離れ。ようやく初めてお訪ねすることができました。まずは、餅つき。この下金山地区はもち米の産地ですが、そのもち米を薪ストーブの窯で蒸してつきます。私の実家にも木の臼はあって昔は餅をついたようですが、既に朽ちていて電動の餅つき機を使っていましたので、今になってこういう本物の餅つきを体験させてもらえるのは感動です。
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食事は猪肉、ししゃものほっちゃれを干したの、酒粕の煎餅など、さすがにスローフードの集まりなので凝っています。
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本にも書かれていますが、川邉さんは火を大事にされていて、家の内外のいろいろなところで火が燃えていました。驚いたのは、窓には南側だけガラスが入っていて、北側はガラスが入っていないこと。これで雪が吹き込むことはないそうです。昨日は最高気温が-10℃ほどの厳寒の日で、室内の空気温度は氷点下でしたが、それでも火があることでそれほど寒い感じはありませんでした。
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日が暮れて、薪ストーブと火鉢、ローソクの明かりだけで新年会が続きます。この辺の地域では、地域の神社の祭りなどでも、こうした火の明かりだけの直会が行われているそうです。登山やキャンプなどではなく、日常の中にこうした風景が残っていることに感銘を受けました。

電灯が伝説やお化け妖怪などの不思議な話を消したとする説もありますが、こういう山の暮らしの中には、不思議な話がまだ残っているかもしれません。しかしながら今のところそういう話を聞いたことはほとんどありません。山の伝説には、内地と北海道で断絶があって、近代化時代の北海道と現在の北海道でも断絶があるようです。しかし、これほど本来の「生活」が残っている場所で、本当にそうした話が残されていないのか、単に誰も知らないだけではないかという思いもあり、残されているものであれば何とか見つけていけないかと思うところです。
posted by onitoge at 18:17| Comment(0) | 日記