
今日、平取の沙流川歴史館で開催されたハヨピラに関する講演会に参加してきました。

演題は、
・「いま、ハヨピラの前に立ち、CBAの活動について考える−空飛ぶ円盤から『ポスト・真実』まで」太田好信(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)
・「CBAによるハヨピラ建設をふりかえる」天宮清(UFO研究家)
の2つ。どちらの先生も切れ味の良い語り口で、CBA(宇宙友好協会)とは何だったのか、なぜ平取にハヨピラを建設したのか、建設後の活動の停滞はどうして生じたのかなどの疑問について、文化人類学の視点と、当事者の視点の2つの角度からのお話を聞くことによって、かなり氷解したように思います。そして、ポスト真実、認知的不協和、反知性主義といった最近の社会のキーワードとなっている事象が、CBAの活動の中に既に現れているとのことでありました。

入り口ホールでは特別展「ハヨピラのいま・むかし」を開催中。これがまたすごい展示で、膨大な写真や雑誌の記事などにより、いままで話に聞くだけだったCBA会員の労力奉仕による建設の様子や、世界の要人を招いた式典、北海道観光百景にも選ばれたことがあるという大衆観光地としての賑わいなど、まったく見たことのない様子が紹介されていました。
CBAはカルトとしての一面もあったといわれますが、一方で一つの任意団体がこれだけの建造物をつくり、一応地域にも受け入れられて観光地にもなったという事例はほかにないわけで、その歴史はきちんと振り返っておく必要があると思います。
両先生とも、今日の話を平取でするということについては喜びとともに戸惑いがあるとおっしゃっていて、それはたしかにそうだろうと思います。しかし、展示されていた写真や、1970年にハヨピラで行われたオキクルミカムイ1200年式典の記録映像を見ると、思いのほか地元の人の関わりもあったようで、平取町側から見たハヨピラの話しも今後聞いてみたいなと思いました。
久々に好奇心を満たしかつ将来の役に立つ良いお話を聞けました。