2016年03月26日

三番舘ふらの店閉店

鬼峠フォーラムは無事終了しました。10周年の区切りににふさわしい内容になったかと思います。道新の富良野版にも,いままででいちばん大きく取り上げていただきました。

さて,三番舘ふらの店が明日3月27日をもって閉店となります。
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場所は旧国道237号線が折れ曲がる,本通り十字街。地図でデパートとある旧かね七デパートのあった場所に,昭和52年12月に金市舘として新築オープン,平成元年にラルズプラザ富良野店となった後,平成4年7月から三番舘ふらの店として営業しています。

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私にとりまして,思い出が多いのは金市舘時代です。それもすべては母の思い出につながっていきます。
歯医者などで富良野に出かけると,決まって巡るのが,くにいさんと,かくはたの2階の瀬戸物売り場と,金市舘でした。いま思えば,母にとっては,つかの間の楽しみだったのではないかと思います。
その中で,私がいちばん好きだったのは金市舘でした。

高校時代に外套を買ったのは三番舘になってからでした。富良野市内の服屋を母に連れられ2,3軒巡ったものの,高いばかりでしっくりいくものがなく憔悴していたところ,三番舘で壁に展示されていた鮮やかな若草色の外套を見つけ,壁から下ろしてもらって購入しました。そのときのほっとした気持ちはつい昨日のことのように覚えています。ぼろぼろになるまで,たしか大学に入ってからも着たはずです。

一年と少し前,母がいよいよ悪くなって上富良野の町立病院に入ったとき,タオルケットを買ってきてほしいと乞われて,富良野生まれの母だから富良野できちんとしたものを買おうと思って向かったのは富良野の三番舘でした。最期を看取ったときにかけていたのもその三番舘で買ったタオルケットだったはずです。

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閉店セールということで,今日は多くのお客さんで賑わっていました。改めて店内の商品を見ると,けっこういいものが多く,専門店としての誇りを持って商売をされているなと思いました。新興の量販店や,大型スーパーの衣料品売り場とは格が違います。いまや伝統芸能の域に達しつつある,店内でマイクを持ってのセール品紹介も健在でした。

なお,新聞報道によれば,市内の別の場所での再出店も検討されているようです。
posted by onitoge at 23:11| Comment(0) | 日記

2016年03月11日

鬼峠フォーラム2016

恒例の鬼峠フォーラムをが下記のとおり開催されます。
今年は10回目ということで,私のほうからもお話をさせていただく予定です。
「道」や「記録」ということに関して,濃い議論ができればと思いますので,ご関心のある方はぜひお申し込みください。

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鬼峠フォーラム2016(第10回) 〜新たな鬼峠の展開へ〜
2016年3月19日(土)〜20日(日)

●主催 鬼峠フォーラム実行委員会
●共催 占冠村公民館(自主創造プログラム)
●後援 富良野地区広域教育圏振興協議会 スローフードしむかっぷ 

●開催趣旨
 今はなき、占冠中央からニニウへ通じる「鬼峠」。すべての人、すべての物資が通ったこの峠をスノーシューで辿り、朽ち果てそうなニニウ神社の小さな祠の雪下ろしをして、奉納相撲をとる。陸の孤島といわれた占冠からさらに3時間の地ニニウで暮らした当時の人々と心を通わせ、現代の豊かさを問う。10年目を迎える今回は、これまでの活動や歴史をまとめる活動、そしてツーリズムの可能性を検証して新たな展開を模索します。

「鬼峠とは…」
 昭和56年まで鉄道もなく陸の孤島といわれた占冠。ニニウはその占冠からさらに鬼峠を越えて3時間の集落だった。現在の鵡川に沿った占冠〜ニニウ間の道が出来たのは昭和35年のこと。入植のはじまった明治41年からこの道が出来る昭和35年まで実に50年以上、最盛期には30戸もの人々が住んだニニウへの唯一の道がこの「鬼峠」だった。この道を通り、夢を求め入植した家族、嫁いできた女、逃げていった男、すべてのひと、すべての物資、そしてひとびとの夢や想いも、すべてこのまぼろしの峠を越えていったのだ…。

●日程(※部分参加も可)
3月19日(土) 占冠村コミュニティプラザ会議室
  14:00〜17:00 鬼峠ミーティング
           ・鬼峠史の編纂に向けて
           ・鬼峠ツーリズムの可能性を考える
  18:00〜     鬼峠交流会
3月20日(日)
  8:00 道の駅「自然体感しむかっぷ」集合 
       鬼峠ツーリズムを考察しながら、スノーシューで鬼峠越え
       ※5〜6時間程度、雪の上を歩く体力が必要です。
  14:00  ニニウ神社 ニニウ神社雪下ろし 奉納相撲
  15:30  道の駅にて解散
 
参加費など
●鬼峠ミーティング 鬼峠越え 参加無料
●鬼峠交流会
  参加費1,500円+1品持ち寄り+飲み物代
●持ち物
 ・峠越え参加の方 
  スノーシュー、ストック、弁当(保温の工夫を)、飲み物携帯食、防寒着、着替え
  ※プローブ(ゾンデ棒)、携帯ショベルをお持ちの方はお願いします。
  ※スノーシューレンタル希望の方は、事前にお申し込みください。
 ・交流会
  みなさんからの1品持ち寄りをお願いします。(できれば、地域の食材を使ったものや、昔からある料理を少量でお願いします。)
お持ち帰り用タッパも各自お持ちください。

申し込み方法は下記PDFをご参照ください。

onitouge2016.pdf
参考URL
http://shimukappu.blog.fc2.com/blog-entry-148.html
posted by onitoge at 22:24| Comment(1) | 日記

2016年03月09日

今年の札幌黄

そろそろたまねぎの種を播かないといけません。
ところが,近くの種屋さんに行ったところ,毎年「札幌黄」の種を売っていたはずなのに,今年はありません。不審に思って尋ねると,採種農家が自給分だけで手一杯で,外に供給するのをやめたので,販売は昨年までで終わりで,今後もう売ることはないとのことでした。
どうもおかしな話だと思ったので,ホームセンターにも行ってみると,こちらは丁寧に「『札幌黄』の種は不作により今春の入荷はありません」と掲示がありました。今年限りのことだとよいのですが。
この2,3年「札幌黄」は引く手あまたのようで,西武の野菜売り場でも以前はよく売っていたのに,この冬は1度も見かけませんでした。
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たまねぎの種は寿命が短いそうなので若干発芽率が落ちるかもしれませんが,昨年の残り種と,札幌黄系F1たまねぎ「北の大地」を半々で播いてみます。「北の大地」は大手のタキイ種苗から出ているF1種ですが,インターネットで調べてもまったく情報が出てきません。
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人参は札幌太人参にこだわりたいですが,いま札幌太を名乗って売られている種は,本来の札幌太ではないという話は本当のような気がしています。それで,今年は山内一尺人参の種を取り寄せてみました。昭和20年代に秋田県の横手市で札幌太人参の優良系統から選抜された固定種とのことです。これもいったん絶滅しかけたそうなので本来の山内人参かはわかりません。

札幌黄,札幌太は実際食べて良いものだからこだわっているのですが,最近,固定種が良くてF1はだめという風潮もどうかと思っています。F1の中にも,食味は上々ながらも,流通上の欠陥があるなどで絶滅しつつある種があり,そうした種を大事に守っている各地方の種屋さんの存在は重要なはずです。
posted by onitoge at 23:29| Comment(0) | 日記