幌延町は牛山さんの秘境駅リストに入っている駅が町内に6駅ある(全国の市町村で最多)ということで,最近は「秘境駅の里」を名乗っています。
どこからこういう動きが出てきたのか興味があったのですが,役場の若手職員の研修の中から出てきたアイデアのようでした。こんなものがと思うものでも,みんなが興味を持てるものを見つけるということは重要ですね。
活動の始まりが今年の3月ということですからJRが駅の廃止を発表し始める前のぎりぎりのタイミングでした。
今年度内に各市町村で策定を求められている地方創生総合戦略にも秘境駅を核とした交流人口や定住者の増を盛り込むようです。
基調講演は、南田裕介氏。「五感で楽しむ鉄道旅」と題し,一般の人たちに鉄道の魅力を伝えるのにふさわしい内容と思いました。
パネルディスカッションでは,「秘境駅を自称することは廃駅の動きを助長するのでは」,一方で「人がたくさん来たら秘境駅ではなくなるのでは」,という秘境駅のジレンマから議論が始まりました。
これに対して、
・秘境駅をPRしても現実として列車が増えることにはならないだろう。
・自分の領域を侵されたくないので,もし他に列車を降りる人がいたら自分は降りるのをやめるだろう。
・飯田線の秘境駅号では,その瞬間は賑わうが,それが過ぎたときに何もなくなる。それが秘境駅ではないか。
・行きにくい,降りにくいということだけでも魅力である。
・秘境駅は外部の価値判断であり,それを地元として活かしたい。
・もし降りるのが自分だけではなければ,今度は別の列車で行こうなどと再チャレンジが促さるはず。
などの意見がありました。
私の考えとしては,いまは秘境に見えても,そこに駅があるのは,もとはそれなりに人が住んでいたからだと思います。幌延の各駅の場合は特にそうです。
その昔の姿を想像するのは楽しいことで,できるものなら少しでも昔の賑わいを取り戻せればと思いますし,一日限りの幻想であれ,先日の深名線沼牛駅のようなイベントには魅力を感じます。
その意味で,秘境駅といっても,探検の対象としての本来の秘境とは意味合いが異なると考えます。(したがって,私自身は,「この駅は秘境駅である」という言い方をしたことはほとんどないはずです)
その後の討論では,今後の秘境駅の活用策の提案として,魅力的なアイデアがいくつか出されていました。
イベントの企画メンバーが若いだけに,まだまだテーマが深まる余地があると思いましたが,会場内からの意見として,天北線のあったころ浜頓別にここ来れば情報が得られるといって皆が集った宿があったこと,
夜逃げと言って,夜行の出発時刻までを宿で過ごすことも可能で,それが貴重な時間だったことなど,亡霊が降臨したかのような話もあり,そんな話も,もっとじっくり聞いてみたいと思いました。
秘境駅グッズも多数。
ふるさと納税の返礼品も秘境駅グッズだそうです。
一般の小市民に見えたのか,共同通信社とNHKから取材を受けました。突然で気の利いたことを話せなかったので採用されるかわかりませんが,見かけたら教えてください。
自由参加の懇親会もあったようで,予定を変更して出ようかどうかかなり迷いましたが,帰ってきました。
これからまだまだいろいろなイベントが開催されていくでしょうから,またの機会に参加したいです。
明日は雄信内駅で秘境駅フェスタが開催され,大変魅力的なのですが,事前申し込みしている帯広のテッラマードレの開会行事のほうに向かいたいと思います。