2015年04月29日

十勝の種屋さん

今日は十勝の種屋さんを回ってきました。紫竹ガーデン以外は初めての訪問です。
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まずは、音更のマツダ樹生園。雪印種苗の園芸センターを別格とすれば、道内最大級の売り場ではないかと思います。さすがは十勝だと思わせてくれました。気になったのは、妙にメロンの種が充実していたこと。十勝管内に有名なメロンの産地はないと思うのですが、家庭菜園でハウス栽培をしたりしているのでしょうか。
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帯広駅のすぐ近くにある十勝豊産園。むかしながらの種屋さんという雰囲気です。ここもメロンの種が割に多かったです。
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水野種苗店。こちらは奥様向けに特化した感じ。種はさほどなく、一般的な花のポット苗が充実していました。オリジナルの有機石灰を扱っているなど、土壌改良剤、肥料関係にこだわりがあるように見えました。
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紫竹ガーデンはちょうど10年ぶりの訪問。たしか売店の花の種が充実していたはずと思いましたが、改めて、感動的なほどの品揃えでした。花の種で言えば、士別市の大友種苗園、富良野市の城宝種苗園、そしてこの紫竹ガーデンは遠方からでも訪れる価値があると思います。
花の種は、めったにお目にかかれない福花園種苗の絵袋が相当数揃えられていたほか、初めて見た札幌採種園のオリジナル絵袋が1コーナーをなしていました。
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紫竹ガーデンで購入した種子。30年前ぐらいにタイムスリップしたような絵袋も感動的です。赤いそば「高嶺ルビー」の種もありました。
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途中で寄った、南富良野落合のベリーズ。山の中にあるあかぬけしたお店が気になっていたのですが、良かったですね。
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ガレットは、鹿肉のソーセージ、北落合産のそば粉に、カリフリ農場の卵と、素材が豪華。腹持ちも意外に良かったです。
落合駅裏のフォーチュンベーグルは11時の段階で売り切れ閉店でした。しばらくぶりで訪ねたかったのですが、難度が高いです。
posted by onitoge at 23:06| Comment(0) | 日記

2015年04月26日

青大豆を求めて

さっき投票に行くのに外に出たら、桜が咲いていました。ゴールデンウィーク中には咲かないことが多いのに、今年はずいぶんと早いです。
この時期、種を播いたりしてると、それだけで1日が過ぎてしまいます。
例年のことですが、苗も慎重を要する時期なので、連休だからといって泊りがけの旅行には行けません。

気の早い話ですが、今年の大豆は、全部青大豆にしようと思っています。鞍掛、黒千石なども味に定評がありますが、見た目の美しさ、味、食感などを総合すると、結局青大豆がいちばんではないかと思うに至りました。
青大豆というのは、枝豆が熟して大豆の状態になっても緑色のままの品種を言いますが、比較的晩生で見た目に好まれない茶毛の品種が多く、全国的に希少とされています。北海道の場合、十勝方面で主力系統の一をなす大袖振(大袖の舞、音更大袖)が青大豆のため、珍しいというほどでもないかもしれませんが、家庭菜園用に流通している種子は限られています。
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「岩手みどり豆」は、いままで見た緑色の中でもいちばん素晴らしいと思えるような深い味わいのある緑色をしています。しかし、生育日数110日〜120日で、日長の関係で5月播きができないということで、残念ながら旭川では栽培困難です。一昨年5月播きしたのですが、蔓化しました。
「石川一号枝豆」は、インターネットで検索してもまったく情報が出てこない謎の品種。北海道で採種されており、旭川の寺岡種苗園と、富良野の城宝種苗園で販売しています。この豆は今も毎日ご飯に混ぜて炊いているのですが、素晴らしいです。

今年新たに買ったのはまず「青雫」。雪印種苗の育成で、エダマメ用として品種改良されたものとのことです。北海道野菜地図によれば、道内のエダマメ品種としては第9位のシェアですが、栽培面積はわずかに1haとなっています(H23年度)。
「グリーンピック」は、旭川農園ご推奨の青大豆。石川一号枝豆よりも青いですよとのこと。名前は味気ありませんが、味に期待しています。
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写真奥から青雫、グリーンピック、岩手みどり豆、石川一号枝豆。
大豆の播種期は5月20日頃ですので、もう少し近郊の種屋さんを回って、青大豆の作り比べをしてみたいと思います。
posted by onitoge at 21:34| Comment(0) | 日記

2015年04月19日

札幌黄

このところぐずついた天気が続いています。
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それでも例年よりはまだ春の進みが早いようで、庭ではチューリップ、ヒヤシンスなどが咲いています。
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窓辺では、野菜の苗が育っています。草のようなのが「札幌黄」たまねぎの苗です。このところ3年続けて作っています。
この数年、札幌黄の人気がすごいですね。味は最高といわれながら、耐病性や大きさのそろいが悪いことで、現在ほとんど作られていない玉ねぎです。生産量は少ないのに、引く手あまたなのでしょう。まちなかの青果屋さんでも、今シーズンはまったく見かけません。
種もそれなりに流通していましたが、今年は大手のトーホクから絵袋入り種子が新発売、タキイからはブームにあやかろうとしているのか「札幌黄系F1たまねぎ」と名乗る微妙な種まで出ていました。

母の実家が富良野のたまねぎ農家なのですが、先日たまねぎの話になったとき、札幌黄は低温に気を付けたほうが良いよと助言されました。昭和58年、富良野地方のたまねぎに抽苔が大発生し、たまねぎの花で畑が一面真っ白になったのは記憶にもまだ新しいところですが、その時の品種が「札幌黄」だったそうです。
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先日入手した「北海道の野菜第1集」(昭和57年4月刊行)。旭川の種屋さんで本棚に並んでいたいたのを売ってもらえるか尋ねると、古いからとただでいただけました。
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中を見ますと、富良野市では「札幌黄が99%を占めている」とあります。昭和56年当時のことと思いますが、いまとのあまりの違いに驚きました。しかも、種は基本的に地域内で自まかないしていたようで、固定種ならではです。ちなみにその下に書かれている「フラヌイ」というのが、国内初の玉ねぎのF1品種だそうです。
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なお、当時、メロンも富良野市ではキングメルティが95%を占めています。至上最高の食味と評されながら、極端に日持ちが悪いことで、現在ほとんど幻となっているメロンです。
いま幻と言われている品種が、ほんの三十数年前には圧倒的なシェアを持っていたことに驚くとともに、味で言えば最高の品種が流通していた時代に我々は子供時代を過ごしていたのだなと思いました。固定種、F1品種どちらにしても流通の都合で味が犠牲にされることが多いのは残念です。
posted by onitoge at 21:40| Comment(0) | 日記