ただ,いろいろな省エネルギーの実践を通じて,第2段階に入ってきた感もあります。

↑の2冊「人は100Wで生きられる」「できた!電気代600円生活」は,それぞれ震災後の2011年,2012年出版。

↑の「暮らし目線のエネルギーシフト」「本気で5アンペア」は2013年,2014年の出版で,どちらもジャーナリストの方が自らの実践をもとに書かれています。
細かい節約で1割,2割を削減するのではなく,こういう,なにかをやめることによって極端な省エネ生活に挑戦してみるというのは,とてもよいことだと思います。実践している人は,まだ1%もいないと思うのですが,これが数%になってくれば,変わり者とも言われなくなって,再生エネルギー利用の可能性も格段に高まると思います。
ただ,これらの本に共通しているのは,電気の節約に問題を限定しており,暖房や給湯,調理における燃料の問題を避けていることです。暖房,給湯,調理に電気を使わなければ,これらの本に書いてあることは,そう難しいわけではなく,むしろ発想の転換で生活の質を向上させることも可能と思います。
私も,冷蔵庫,電子レンジ,食器洗い機,温水便座,炊飯器という電気食いの製品を持っておらず,テレビもほとんど見ませんので,家電製品で電気を使うのは,パソコンと照明,洗濯機くらいです。そうすると,100W生活,5アンペア生活などというのは余裕で達成できていると思います。
しかしながら,暖房に電気式の蓄熱暖房機,給湯に電気温水器を使っている時点で,省エネ的には最悪になっているわけです。
(電気暖房,電気給湯の場合,発電所で燃料を燃やして一度電気に変換しているわけですが,家庭で燃料を燃やせば発電所で燃やす場合の半分程度で済むはず。電気の場合ヒートポンプを使えばかなり省エネにはなるが,それでも北海道ではガス,灯油焚きの機器になかなかかなわない)
そういうことを含めて,エネルギーのことを真面目に勉強したいという場合に,非常に参考になった本を紹介しておきます。

↑の「不確実性時代のエネルギー選択のポイント」というオランダの文献の翻訳書です。
歩くより車で移動したほうが省エネなのではないかという衝撃的な発見もありました。この本に直接書いてあるわけではないのですが,食べ物を作るのに莫大な化石燃料を消費している現状では,歩いて移動して体力を消耗するより,直接ガソリンを燃やして移動したほうが,結果的に化石燃料が節約できるのではないかということです。乗用車に1人で乗るなら歩いたほうがいいですが,エコカーに4人で乗り合わせするなら,車のほうが省エネになる可能性がありそうです。
ただ,だからと言って,どんどん車を利用すればよいではなく,食べ物にそれだけエネルギーがかかっているのを何とかすべきだと思っています。