そんな中でも、どうしても話を聞きたかった「鮮度保持技術シンポジウム」に行ってきました。

鮮度保持技術とは、堅そうなテーマですが、本質は、何をいつどうやって食べるかという話で、水産、農業、食品加工、エネルギーなど各分野の専門の方から、大変興味深い話を聞くことができました。
野菜に関しては、メロンのキングメルティがいかに日持ちしないかということが具体的なデータで示されていました。キングメルティは北海道でいちばんおいしいメロンだったと思うとのことでしたが、私もまったく同感です。
キングメルティと聞いて大変懐かしかったのですが、たしか小学校の低、中高学年のころが全盛期で、高学年になるころ、エルシーメロンという、やたらと日持ちはするけれども、まったくおいしくないメロンに一気に置き換えられていったのです。しかも、青肉だったキングメルティに対して、夕張メロンと同じ赤肉だということで一般の評価は悪くありませんでした。流通の都合や見た目で、本当においしい食べ物が駆逐されてしまうという、何か世の中おかしいのではと感じた出来事でした。
しかし、いまだにキングメルティに関したいろいろな実験データがこうした場で紹介されるということは、何とかして流通させようという努力はされていたのですね。少し救われた気がしました。
「北海道野菜地図」によれば、キングメルティの作付けシェアは、現在道内産メロンの0.6%ほどで、幻のメロンとしてわずかに流通しているようです。