名寄岩は大相撲の元大関で,双葉山,羽黒山と並ぶ立浪三羽ガラスの一人です。お菓子を平等に分けるのに物差しで測って切ったなど真正直な人柄を現すエピソードが数多く伝えられています。
私も高校生の頃,名寄岩の真正直な人柄に心酔し,実は「涙の敢斗賞」という名寄岩が主人公の映画の名を勝手に拝借して,あるところに投稿していたことがあります。
まずは北国博物館の「名寄岩生誕100年記念展」。かなり充実した内容で,記念のブックレット,手ぬぐい,扇子も販売していました。
そして,第一電気館での「名寄岩涙の敢闘賞」上映会(本来の映画名の表記は「敢闘賞」ではなく「敢斗賞」)。まさか映画館で見る機会が訪れるとは思ってもいませんでした。素晴らしい映画でした。
16mmフィルムのため,映写機を客席の後ろに持ち込んでの上映。168席の映画館は,パイプ椅子が登場するほどの盛況でした。
なお,第一電気館ですが,10月で閉館するそうです。映画館でのデジタル上映が急速に普及した中で,現在北海道では唯一フィルム上映しかできない映画館だそうです。ただ,以前見たときには,フィルムとは思えないほど映像が安定していてきれいでした。最近では観客がゼロの日があるとのことで,時代の流れとは言え寂しいことです。
映画の後は,グランドホテル藤花に場所を移して,元NHKアナウンサーの杉山邦博さんの講演会。NHKの相撲アナウンサーでは,高校のときに石橋省三アナウンサーの講演を聞いたことがあるのですが,ここに来て杉山邦博さんの講演を聞けるとは,これまた思ってもいなかったことで,大変貴重な経験でした。抑制の美をキーワードに,実技を交えながらのさすがに格調高いお話でした。
今日名寄ではほかにもいろいろイベントが重なっていて,駅前交流プラザの秋の収穫祭では「ブルーベリー早食い選手権」という珍しい競技も行われていました。北の街はほのぼのとしていて良いものです。
映画「涙の敢斗賞」は,10/12まで開催の北国博物館での企画展でも見ることができます。