今度は白米の場合,1合炊くのにどれだけエネルギーを使うか調べてみようということでしたが,1週間たってしまいました。隣でお茶を沸かしていたりすると,データが取れませんので,なかなかタイミングが難しいのです。

今日ようやくきちんと計ってみました。
白米と言っても,豆や麦が入っていますが,炊き方は白米と変わりません。
結果は130Whでした(電力量計の都合で10Wh単位となります)。
玄米は220Whでしたから,白米の場合は玄米の60%のエネルギーで炊けるということになります(あくまでもある条件で比較した場合の話です)。
では白米のほうが省エネかというと,精米に要するエネルギーなども含めて考えなければなりません。ただ私の予想では,それらを含めても白米のほうが省エネということになるのではと思います。
しかしながら,玄米を食べていれば基本的にほかの野菜など食べなくても健康上問題ないはずですので,白米を食べることによって余計に必要になる野菜やそれを使った料理に必要なエネルギーや,病気が多くなるすれば,その医療に要するエネルギーなども含めて考えると,どちらが省エネルギーかを数値で比較するのはほとんど不可能になるでしょう。
それでも,人間としてどちらを食べるのがふさわしいのかは,追求していかなければならない問題だと思います。
もう一つ,調理の過程でどこにエネルギーがかかっているのかを知ることも必要です。
今回,沸騰までに要したのは70Whで,これは実は玄米とあまり変わりませんでした。
これを検証してみます。

まず重さを量ってみます。
水が205g,30分間水に浸漬させた米が249.5gでした。
水浸漬米の湿量基準含水率は30%程度とのことですから,
水は計205+249.5×0.3=278.9g
米(固形物)が249.5g×0.7=174.7g
比熱を水4.18J/gK,米(固形物)2J/gK
とすると,
熱容量は
278.9×4.18+174.7×2=1515J/K
となります。

炊く前の温度が18.3℃でしたので,
上昇温度は100-18.3=81.7K
したがって,沸騰までに必要な熱量は
1515×81.7=123767J
消費電力70Wh=252000J
ですから,本来必要な熱量の倍以上のエネルギーを必要としたことになります。
ところで米と一緒に鍋もほぼ100℃まで加温することになるはずです。
鍋の加熱に要する熱量は
2.1kg×460J/kgK×81.7K=78922J
よって,鍋も含めた熱効率は
(123767+78922)/252000=80.4%
で,電磁調理器の熱効率は一般に80%程度と言われていますから,
ぴったり計算が合うことになります。
残り20%は放熱や冷却ファンに使われるものと思います。
さらに消費電力の30%が鍋の加温に使われ,残りの約50%が実際に米と水の加温に使われるというわけです。
なので,若干水の量が多い玄米も,沸騰までで比較すると,水の量の違いほどに消費電力に違いが出ず,その後炊き上げるまでの過程で差がついたものと思います。
使った鍋は,特別に重いものでしかも1合炊きですので,普通はもっと効率が上がるかもしれません。炊飯器の場合はまったくどうなるか想像がつきませんが,炊飯器は持っていないので試せません。100V用の電力計は安価でありますので,どなたかレポートしてくださればと思います。
posted by onitoge at 00:09|
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