一つは旭川電気軌道43番米飯線です。市内屈指の秘境路線として知られていました。なくなるとわかってから訪れるのは本意ではないのですが,乗っておかないと後悔するような気がして,今日午後の便に往復乗車してきました。
始点の東旭川6丁目には,カメラマンなど含めて,10名ほど集まっていました。途中の道路沿いにも,何人か写真を撮っている人を見かけました。
車内に乗っていたのは,もともとこの沿線に住んでいて,記念に乗りに来たという人が多かったです。
記念に乗ったおばあちゃんとお孫さんは,途中のバス停で降りるとき,写真を撮らせてほしいと運転手さんに告げていましたが,運転手さんは2人で写らなくてよいのですかと言って,わざわざバスを降りて写真を撮ってあげていました。また,バス停で待ち構えていて,運転手さんにご苦労様と言って贈り物をする沿線住民の方もいました。
バスが廃止されると聞いて母親のふるさとに久しぶりに来たという年配の女性は,そのような様子を見て,こんなにのどかな風景がまだあったのかと,涙ぐまれていました。
来年30歳になるという沿線出身の青年は,バスがない時は東旭川まで7km歩いて高校に通学したという話もしていました。
終点の米飯12号バス停。運転手さんによると,往時は増便が出るほどの賑わいだったようです。
バスの廃止が,沿線にとっては鉄道の廃止にも匹敵する大事なことだと改めて感じました。
10月からは乗り合いタクシーの運行となります。高齢の方にとっては,このほうが便利なのかもしれません。
なお,鉄道時代の名残である「旭川追分」のバス停名称も9月で消滅し,10月から豊岡3条2丁目に変更になるそうです。
もう一つなくなるもので気になっていたのは,スーパーダイイチの上富良野店です。こちらは行けませんでした。