2011年06月21日

大正の歌

今日,夕食を食べに食堂に行ったら,「恋はやさし野辺の花よ」がかかっていました。日本では大正時代に田谷力三が浅草オペラで歌ってヒットした歌です。

少し前から,92歳になる大叔母が近くに来ているので,ちょくちょく話を聞きに行っています。最近ますます昔の記憶がさえてきたそうで,大正時代の話が直接聞けるのですから,今の時代にあっては貴重なことです。
死んだ祖父が勝太郎さんや市丸さんの歌を好んで聴いていたというのは,前にもどこかで書いたと思いますが,古い歌のCDを持っていって,どんな思い出があるか尋ねてみました。
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大叔母自身は音楽のことがわからないと言いつつ,ここにあるCDの歌手は当然のごとく全部知っていました。音丸さんは,顔はきれいでなかったが,一時ずいぶん流行っていたとのこと。昭和10年のヒット曲「船頭可愛や」は祖父の従兄弟が結婚したときに流行していたそうです。顔がどうだったとか,背丈がどうだったとか,テレビがない時代にどうしてそんなことがわかるのかと尋ねると,顔はレコードに印刷されており,何人かの歌手は実際に公演を見たとのこと。昭和のはじめには,北海道の田舎の農家にも東京の文化が浸透していたということを,あらためて知りました。

あと驚いたのは,祖父が陸軍の病院に衛生兵として勤めていたとき,歌手の灰田勝彦さんが患者で来たのが縁で,灰田さんとは野球仲間だったということ。そして,曾祖父がまた歌好きで,大正時代からストトン節や米山甚句などの流行歌や民謡,講談物を機械式の蓄音機でよく聞いていたそうです。まだレコードが一般に普及する前ですから,曾祖父もかなりの物好きだったようです。
こういったことはまったく知らずに,私も古い歌が好きで聴いていたので,本当に不思議なことだと思いました。

そういえば,今日の道新朝刊の文化面に,歌手の川野夏美さんを絶賛する記事が載っていましたが,その記事の内容には私もまったく同感で,いまの女性演歌歌手の中では,川野夏美さんのみが戦前の歌手に匹敵する歌い手だといって過言ではないと思います。

今日のNHKラジオ深夜便,3時台のにっぽんの歌こころの歌は「懐かしの流行歌〜戦前の名作歌謡」で,音丸さんの「博多夜船」が放送されるようです。こういういい歌は,いつまでも歌い継がれてほしいものです。
posted by onitoge at 01:45| Comment(0) | 日記