9時に山部の事務所に集合。ここで簡単な説明を受け,マイクロバスで出発しました。
まずは国道38号線沿いの51林班,通称「ポン太前」で里山天然林施業見学。ポン太前とは,かつてあったドライブインの名前に由来するそうです。春紅葉がきれいな里山ですが,ここが林分施業法がいちばんうまくいっている場所で,既に4〜5回択伐を行っていながら良好な天然林が維持されているとのこと。
その森の中に歩いて向かいました。
ここで伐採する木を決める「選木」について説明を受けました。トドマツを主体とする天然林ですが,様々な齢級のトドマツが混在しているのが林分施業法が成功している証とのこと。

弱ってきた木を切ると,日が差し込むようになり,周りの木の生長が促されます。
今回再認識しましたが,この演習林は,標高の高い場所にある一部の保存林を除き,大部分はどろ亀先生(高橋延清先生)が提唱した林分施業法の考え方のもと,木材の生産が行われているということです。材として出すのは,1本数百万で取引されるウダイカンバなどの銘木のほか,一般の建材やパルプ用にも出材しており,年間の販売額は1億3千万円にもなるそうです。
天然林から造材するというのは,たぶん今の時代,ほかではありえないことで,100年以上の間,東大が一貫して管理を行ってきたからこそできることなのだと思います。