2011年06月11日

植物工場

パンジーを長く咲かせるためには,種がつかないよう咲き終わったらすぐに花がらをつみ取ることが肝要なのですが,3日もさぼると花がらでかご一杯になります。
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ようやく株が張ってきたと思ったパンジーも,水,木の真夏並みの暑さで弱り気味です。プリムラは完全に花が終わりました。去年40株作って,わずかに4株だけ夏を越したデージーも,先週開花したと思ったら,もう暑さでしおれてしまいました。今年は本格的な春が来る前に,夏が来たという感じです。

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昨日は,北海道銀行主催のアグリビジネスフォーラム2011「植物工場が拓く北海道の未来」に参加してきました。主催者も驚くほどの盛況でした。少し前に講演を聴いた日本銀行の人も,オランダの植物工場の話しをしていましたし,銀行が真剣になるということは,たぶんこれからちょっとした植物工場バブルが来るのではないでしょうか。

今回,いろいろな講師の講演を聴いて,植物工場というのは,技術として非常にクリアで,嘘がないという印象を持ちました。ある限られた条件においてですが,電気など大量のエネルギーを使ってでも植物工場が合理性をもつ分野はたしかにあると思いました。

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写真は完全制御型植物工場のデモですが,省エネ化のため植物の成長に必要な光だけを照射するとこういう色になるとのこと。葉っぱが黒く見えるのは,光を葉が全部吸収している証拠です。完全制御型で実用生産されているのは,主に光飽和点が低いリーフレタスですが,品質の安定性が極めて高く,虫の心配もないというのは,外食産業にとって非常なメリットだと思います。

一方,太陽光利用型の植物工場ではトマトが主要な作物になっているようですが,従来のハウス促成栽培のように,重油をがんがん焚いて,農薬を使い,しかも青いうちに収穫して遠くから運ばれてくるトマトに比べれば,近場の植物工場で作られ,無農薬で完熟収穫されたトマトのほうが健全のような気がします。

もちろん,米や麦,ビートなどを植物工場で作ろうということには将来的にもならないと思います。逆に植物工場の課題といったらなんでしょう。

一つは,施設が日本の業者に作ってもらうより,オランダから施設丸ごと輸入したほうが,何分の1かの費用で住むそうで,日本としてほんとにそれで良いのかということがあります。あと,植物工場で事業を始めるのに,農業の経験は不要だと思いますが,やっぱり土づくりからの農業を知っている方に担ってほしいと個人的には思います。
posted by onitoge at 21:59| Comment(0) | 日記

2011年06月05日

公開セミナー その3 経歳鶴

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東大演習林内最高峰の大麓山。標高1459m。演習林内からしか登山道がない山で,毎年登山会が行われているそうです。

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こちらは,標高931m,経歳鶴という三角点のある山からの眺望。演習林の東側境界に位置し,眼下は国有林ですが,一面の樹海は圧巻でした。十勝平野まで望むことができました。ここで昼食となりました。
経歳鶴(けいさいつる)とは妙な名前ですが,アイヌ語のペトツルを当て字したものらしいです。

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下りはバスに乗り,次は倒木更新の見学です。写真は,9本の木が倒木の上で一直線に並んでいる場所。樹齢は200年近く,倒木も200年近いことを考えると,400年の時間の流れがここに凝縮されていることになります。倒木上の木は太さが違いますが,樹齢はほとんど同じで,芽を出した時期のちょっとした違いが日当たりの違いとなり,太さの違いに現れるそうです。
エゾマツは,こうした倒木更新のように条件が整わなければ天然更新が難しく,現状では木を伐れば伐るほどエゾマツの森が減っていくそう。この点が,林分施業法の課題としてあげられるとのことです。ただ,北海道でエゾマツの天然更新が難しいのは,エゾマツの南限に位置しているからで,樺太などではまったく問題なく更新できているとのことでした。

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見学コースのクライマックスは,西達布川源流の湧き水。山肌から豪快に水が湧き出ています。ここから出ている水は,約30年前に降った雨で,湧出量は0.6t/秒にもなるそう。

以上,紹介したのはごく一部で,途中にはいろいろな野草や山菜,動物の食痕があり,それらの説明も受けながらの楽しい散策でした。

東大演習林といえばクマゲラが有名ですが,演習林内にいるクマゲラは20つがいくらいではないかとのこと。また,ヒグマはある程度特徴などから個体が特定されているそうですが,10〜15頭くらいが生息しているとのこと。これだけ恵まれた230平方kmに及ぶ天然林でも意外と少ないものだと思いました。やはり人間のほうが多すぎですね。

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最後,東大樹木園で苗木の生産を見学しました。初めて知りましたが,トドマツ,エゾマツ,アカエゾマツという北海道の自生種の育苗技術が確立されたのは50年前くらいからで,それ以前の人工林はカラマツ,ストローブマツなど外来種を植えるしかなかったそうです。特に,エゾマツの育苗技術が実用化されたのはこの10年くらいで,いまだ発展途上にあるとのこと。

以上,生産を行う森林としてはあまりにも恵まれていて,一般の民有林とのギャップも感じましたが,今日は大変ためになったセミナーでした。
posted by onitoge at 23:18| Comment(0) | 日記

公開セミナー その2 91林班

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バスは国道から市道の三の山線に入りました。途中,昭和51年に廃校になった三ノ山小学校がありました。生涯,教壇に立たなかったことで知られるどろ亀先生ですが,この小学校の教壇にだけは何度か立ったことがあるそうです。

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バスはいよいよ専用林道に入ります。仙人峡と書かれていましたが,由来はわからないそうです。総延長933kmに及ぶ林道ですが,思いのほか良く整備されていました。15年から20年周期で行われる択伐の際には,林道にも砂利が入れられて整備されるそうですが,それ以外のときでも草刈りなどの維持を行っているそうです。

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91林班で人工林施業の見学。演習林の約1割にあたる約3000haは人工林となっています。人工林のほとんどは,台風などの災害の跡だとのことでした。ここでは,樹木園で育成された苗木の植樹について説明を受けました。樹種は,トドマツ,アカエゾマツ,エゾマツの3種類で,遺伝子の拡散を起こさないよう,すべて演習林内で採取した種子で苗木を育成しているそうです。人工林といっても単一の樹種にはせず3種類を混ぜて植え,間伐もせず,最終的には針広混交林を目指しているそうです。写真は昨年植えられた,7年生のトドマツ。

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トドマツとエゾマツの見分け方を教えてもらいます。枝が上向きか下向きかで見分けるとよく言いますが,実はそれではよく見分けがつかないことも多いとのこと。

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今日は例年と趣向を変え,歩く時間を長くしたということで,森の中を時間をかけてずっと歩きました。標高900mを越えると,森林限界に到達し,木がまばらになってきました。
posted by onitoge at 22:41| Comment(0) | 日記